大型電気屋さんへ行くと、でかくて薄いテレビがどんどんどーんと置いてある。

最新のテレビ画面に映る映像は、私が普段見ているそれとは明らかに画質が違う。

音もなんとなく、違うような気がする。

けれど私はまったく食指が動かされない。ふーん、技術の進歩は早いなあと思うけれど、ほしいとは思わない。大画面でクリアビジョンで、画質がまったく違うよ、すげー!と思う。そしてそれだけだ。

そのうち、今使っているテレビが壊れれば買い換えるだろうけれど、何十万円も出して薄くてでかくて画質のよさを追求したテレビを買うことはしないと思う。

だいたい、そんなに真剣に、娯楽としてのテレビを追求しなくていいと考えている。
お笑い番組をより鮮明な画像でみたいと思わないし、ドラマや歌番組にしてもそうだ。

映画は、やはり映画館で見るのが情緒があってよいと思うし。


同じ理由で、音楽メディアもけっこうどうでもいい。そんなに真剣に音楽を普段聞かないから、何万円もするコンポもスピーカーも要らない。だいたいアパートだし。

パソコンだって、音楽を作るわけでなし、お絵かきをするわけでもなし、むずかしいプログラミングもしないし、音楽聞けてブログ書けてネットショッピングしてちょっとググれるくらいの機能で十分だ。

携帯電話も、メールできて会話できてちょっと写真くらい撮れれば別に旧型でかまわない。

自動車だって軽でいいの軽で!丈夫で長持ちだったらなお良し。

「じゃあ君は何だったら最新のものがほしいわけ?」

「うーん・・・本棚かなあ。」
「・・・・・・本棚・・・ですか?」
「そう、本棚。大容量なんだけど薄いのね。基本は180cm×150cm×20cmくらいで壁に埋め込み式がいいな。扉もついていてほしい。壁にタッチパネルがあって、そこを押すと「本棚の」リストがばーっとでてくるわけ。4次元空間とつながっていて、選びたい本棚を一瞬で出現させることができるんだな。重要なのは、紙の本を収納する本棚であることね。パソコンの中にライブラリがあってもダメなわけ。紙の本であることが重要なんだよ、わかる?そしてリストは『本の』リストじゃなくて『本棚の』リストなの。
閉架書庫を思い浮かべてもらうとわかりやすいかなー。たとえば5番の棚出てこーい、で、ボタンを押すと5番の本棚出現。5番の本棚を見ながら、本を選ぶ楽しみを味わいたいわけよ、背表紙を見ながらね。そういう本棚があったら買うね、100万円出しても惜しくないね、モノによっては300万まで出す!何万冊収納しても、本棚ひとつ分のスペース!素敵!図書館とかにばか売れすると思うんだなー。需要はある!供給を急げ!」

「・・・なんていうか・・・発明されるといいね・・・」

「ねー☆そういう本棚なら、大金はたいても惜しくないわ。」