前へ

後戻りをするのが嫌いだ。

昔に戻りたいと思ったことがほとんどない。

道を戻るのがきらいだ。

進みたいと思う。戻ったほうが、効率的だとわかっていても。

待つことがきらいだ。

待ち続けるくらいなら、またどこかで逢いましょう、と思う。

わたしは歩いたり、走ったりしながら進んでいくから。

縁があれば、またどこかでお逢いしましょう。

そのとき気が向いたら恋愛をしましょう。

気持ちや体があわなければ痛みを覚悟して離れましょう。

またどこかで逢えたら笑顔で声をかけるでしょう。

そうしてまた進んでいく。

ちょっと振り返って、えへへ、と笑って手を振るだろう。

時々は思い出してね。わたしもたまに思い出すから。

これからもこれまでも、わたしはひとりだ。

だから身軽だし、とても楽しい。

たぶんそれは、この先ずっと変わらない。

結婚したって子どもを生んだって、変わらないと思う。

わたしは、ひとは孤独だと知っている。

それは、わたしの財産のひとつだと思っている。