既婚の男性陣と飲んでいて、昔の恋の話題になった。
「ふられた女性のことは今でも気になるし、未練が残る。」
「ふった女性については、今でも自分のことを好きでいるだろうと思う。」
要約するとそんな感じの話題。
・・・へぇ・・・。
世の中の大半の女性はそうなのだろうか。
私は振られた人のことを何年も覚えているようなこと、できない。
大半のことは忘れてしまった。いや、思い出せない、という方が正しいか。
ふったふられたにかかわらず、別れた人のことはあんまり憶えていない。
別れたあと、いまだに連絡を取り合っている人も何人かいるけれど、そういう関係であったこと自体、忘れてしまっている。
時間って偉大ですね。楽しかったり苦しかったりしただろうに、忘却の彼方だ。
ただひとり、ずいぶん長くつきあった人だけはちょっと特別で、あのひとは私にとって家族だ。連絡を取り合うのは何ヶ月かに一度だけれど、遠いところに住んでいる兄弟だと思っている。そしてそれは彼も同じようだ。
けれどそれ以外の人はすっぱり他人だよ。
いまだに好きだと思われていたりしたら、心外だなあ、とソルティードックの塩をなめながら思った。
あの、嫌いなわけではないですよ。
会う機会があれば、にっこり笑ってお話したいですよ。実際そうしているつもりですよ。けれど、
「その当時は好きだったけれど、今は別に。だって今その人がどういう人になったか私知らないし、特に知りたくないし、知る機会もないし。」
という心情ですよ。
時間の経過がある以上、私の好きだったそのひとそのもの、であるはずはないから。あくまで「その時の私が」「その時のその人を」好きだったわけで、「今の私が」「今のその人を」好きかどうかというのは、これは全く別のお話だよ。
実際、「恋に恋しちゃっていたんだね、私・・・。冷静になって周りをよく見ろ!」と、当時の自分に喝を入れたい恋愛、あるから。若いときは自分がままならなくて大変だった。自分で自分にかけてしまった呪縛が解けなくて困ったものでした。

でもなんとなく、「ああ、もしかしてそれでそういう態度・・・?」と思い当たることがあったので、目からウロコな話題ではありました。

・・・でもさあ、女の私はどうしても理解できないんだけど、本当にそうなの?
はっ、もしかして男女関係なく、そういう考えの人の方が多数派なの?